事業停止が引き起こす6つの視点からのリスク
今回から災害リスクマネジメントの必要性について考えてみましょう。本日は、事業継続ができなくなると経営上どのような影響があるか6つの視点で挙げてみました。
災害が引き起こす事業停止に潜む様々な危険性
第1に「財務上」の影響ですが、罰金・違約金の発生、機会の逸失、市場占有率の低下などが考えられます。例えば、継続的に取引先に納品する契約などを締結していた場合、事業停止に陥ることで、継続して納品する状態が維持できなくなるリスクが潜んでいます。そのような状況になると、利益を獲得するチャンスも喪失してしまうことにもなりますし、長期的視点で見ると市場占有率(シェア)が低下させてしまうことで、売上高や利益を減少させてしまうというリスクも災害による事業停止には存在しています。
第2に「評判上」の影響ですが、否定的な世論またはブランドの毀損が考えられます。災害によって長期間に渡って事業停止状態になると、自社に対する社会からのイメージが低下してしまう可能性もあり、結果としてブランド力が低下してしまう危険性もはらんでいます。
第3に「運用上」や「契約上」の影響を考えてみたいと思います。先述しましたが、取引先と組織間の契約で安定して一定数の納品数を維持する契約がある場合、災害によってその義務を破ってしまう状況が発生する可能性もあります。
第4に「法規制上」の影響ですが、訴訟に関する負債や営業許可の取り消しなどが考えられます。例えば、営業を許可する際に必要な環境を整える必要がある場合、災害の発生で環境が毀損する事態に陥るケースも想定され、結果として営業許可が取り消されるリスクがあると考えられます。
最後に「事業目標」への影響も考えられます。事業が停止する状態が発生すると、長期的な経営目標や短期的な事業計画が達成できないという状況に陥ってしまうことも想定されます。また、事業の停止によって企業成長につながるチャンスを活用できず、成長が遅れてしまう事態も想定されます。
事業停止を発生させないための安定した経営基盤を構築しよう
災害による事業停止が引き起こす影響について考えてみましたが、このように災害に対する経営基盤が脆弱だと、災害発生時に有効的な対応ができず、そのまま事業停止になる可能性が非常に高いと考えられ、その結果、事業停止が長期に渡ることとなり、取引先との取引が円滑に行われなくなってしまい、最悪の場合、取引停止となってしまうことも考えられます。
そのような意味でも、災害に対する事前対応が経営上において非常に重要なものとして捉えることが重要と言えます。